教会めぐり世界一周の旅

旅上で心癒された美しい教会を紹介

日本編#55 島根県

 

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山陰の小京都、津和野。

うつくしいうつくしい、小さな城下町。

森鴎外、西周など、明治の知識人を生んだ文化的な町。

鯉が泳ぎ松が繁る雅な街道筋に、津和野教会が建つ。

 

名称:津和野カトリック教会

宗派:カトリック

場所:島根県鹿足郡津和野町

 

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1929年に建てられた聖堂内中は土足禁止の畳敷き。期待通り。

幼稚園を併設し、観光客も行きかうこの教会。一見、なんの変哲もない地方の教会に見える。

が、キリシタンの歴史においてとてつもなく重要な巡礼地なのである。

津和野教会から1.5キロほど山に向かって進むと、「浦上四番崩れ」の舞台となった乙女峠に辿りつく。

明治の初め、長崎・浦上から流刑になった100人以上のキリシタンがここで拷問を受け、子どもを含む37人が殉教した。その様子は諸外国に伝わり、今日の日本では当たり前のようになった憲法で保障されている基本的人権、信教の自由を政府が認めることになったきっかけの事件である。詳しくはこちら↓

http://www.hiroshima-diocese.net/2019/03/18/post-1067/

 

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5月3日には乙女峠まつりと呼ばれる、祈りながら聖母像を乙女峠まで運ぶ巡礼が行われる。今年で68回目だとか。

 

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晴天の下1800人が参列した今年の野外ミサでは、この37人の殉教者「津和野の証し人」を列福してほしいという正式な調査開始がヴァチカン大使の同席のもと宣言された。

 

キリスト教の信者でなくても、ぜひ行ってみてほしい歴史スポット。

 

※写真転載厳禁